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アトピー性皮膚炎について

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アトピー性皮膚炎について

この病気は解明の途上にあり、その発症メカニズムについて全ての医師・患者に統一された見解が無く、その為複数の病態論が並行して存在します。
従って原因を一つに絞って挙げる事は不可能で、下記に主立った病態論を挙げ解説しますが、詳細に至っては人それぞれに見解が異なる為、同一項目であっても相容れない場合があります。

従来の原因論

発症の原因は不明ですが、蕁麻疹のような即時型アレルギーと遅延型アレルギーが複雑に関与すると考えられます。
アトピー性皮膚炎は、家族内発生がみられること、他のアレルギー疾患(気管支喘息など)の病歴を持つ場合が多い(アレルギーマーチ)ことなどから遺伝的要因が示唆されます。
皮膚が乾燥しやすいなどのアトピー素因を多くの患者が持つが、これは炎症の結果ではなく、独立した要素であると考えることができます。

しかしその一方で、いわゆる遺伝病のように特定の遺伝子が発症の有無を決定的に左右するものではなく、また、発展途上国に少なく近代化に従って数十年単位で患者数が増加していること、環境の変化によって急激に発疹・痒みの症状が悪化しやすいことなどの理由から、遺伝的要因だけでは説明できない事例も多く、環境要因も非常に大きいと考えることもできます。
以下に、遺伝的(先天的)要因と環境(後天的)要因について、分かっている原因の情報をまとめました。

遺伝的要因(先天的要因)

非特異的IgE抗体が正常値以上のひとは、I型(即時型)アレルギーが関与していると考えられ、アトピー性皮膚炎症候群の80%位のひとがこのタイプで、遺伝的アレルギー体質が大きな原因と思われます。
食物などのIgG抗体についての報告はありますが、日本を含め欧米のアレルギー学会では否定的です。
また近年、表皮のフィラグリンという成分が遺伝的に欠損しているタイプのひとがいることが発見され、このタイプのひとはフィラグリン欠損により皮膚バリア機能が落ち、角質異常(Dry Skin)によりアトピーを起こしやすいと考えられています。日本ではアトピー性皮膚炎症候群の20%位のひとがこのタイプであるという報告があります(2008年)。

環境要因(後天的要因)

多彩な非特異的刺激反応および特異的アレルギー反応が関与して生じる要因があり、以下が挙げられます。

  • 摂取する食物がアレルゲンとなっていることがあり、乳児期・学齢期に多い。
  • ダニ・ハウスダスト・鳥の糞といったアレルゲンにより、悪化原因となっていることがある。

皮膚に常在している細菌の影響も考えられます。
細菌が病変部位から進入するなどで特異的な感染症を併発することが多いほか、湿潤した病変部位は健常な皮膚よりも細菌の数が多いことが知られており、これらの菌体成分により免疫応答が賦活化されることが症状の増悪の一因とする説もあります。

また、ストレスの影響も考えられます。
支配的な保護者に過干渉される環境にあったり、進学・就職・職場の配置転換などを機会に悪化するケースが多いです。
ストレスにより掻破行動が増すことが原因のひとつで、自己を破壊する掻破行為がある種の快感を生み、患者がそれにより症状を悪化させるという説もあります。

環境基準(健康項目)に定められる有害化学物質等により発症が報告されています。
水道水の塩素と合成界面活性剤が原因になっています。
入浴時等の石鹸の使用により元々遺伝的に弱かった皮膚のバリア機能を更に弱めてしまう事があり、使用を中止する事で軽快する例があります。

極端な乾燥肌のため、冬の乾燥期に悪化する事が多いです。
特に冬の太平洋側は連日快晴のため、極端な肌荒れを起こし易い盛夏期は、自己の発汗によっても炎症を起こし易いです。
これは表皮バリア機能が乏しいため、汗の塩分がダイレクトに表皮で滞留してしまうためです。
ステロイド外用剤は、コルネオデスモゾームを破壊しバリア機能を低下させるため、英国の小児科医Corkによって、石鹸と同様、アトピー性皮膚炎の環境系悪化因子と位置付けられています。

時期別症状について

乳児期の症状は、湿疹と混同される場合もありますが、その炎症は頭部に始まり、次第に顔面に及び、そして体幹、手足に下降状に広がります。
幼児期-学童期には、関節の内側を中心に発症し、耳介の下部が裂けるような症状(耳切れ)が現れます。
思春期以後は、広範囲にわたり乾いた慢性湿疹の症状を呈し、眉毛の外側が薄くなるヘルトゲ兆候が見られることもあります。

発赤した皮膚をなぞると、しばらくしてなぞったあとが白くなる白色皮膚描記症という症状が出ることがあります。
乾燥して表面が白い粉を吹いたようになり、強い痒みを伴う赤い湿疹、結節などができ、激しい痒みを伴うもので、痒疹を伴うこともあり、湿潤した局面から組織液が浸出する場合もあります。

慢性化すると、鳥肌だったようにザラザラしたものができ、皮膚が次第に厚くなっていきます。
しこりのあるイボ状の痒疹ができることがあり、この場合難治性で、イボになることもあります。
思春期以降は、手指に症状が表れ易くなり、爪元から第二関節あたりが特に酷く荒れやすいです。

児童期が湿潤型、思春期以降は乾燥型の皮膚炎を起こすのがアトピーの特徴です。
湿潤型は主に首周りや肘膝関節裏、乾燥型は頭皮、額、肩、内腿、内椀に発症し易いのが特徴で、乾燥型に切り替わるとき、湿潤型の症状は軽快する傾向があります。
思春期以降は、油脂分泌不足から頭皮に大量のフケが出るケースが多いです。

主な合併症

皮膚疾患

アトピー性皮膚炎体質の人は一般に皮膚が弱く、子供の頃におむつかぶれを起こしやすかったり、各種の化粧品、塗り薬、洗剤などによる接触性皮膚炎を起こしやすいことが知られています。
アレルギー反応が強い箇所を中心に、結節を伴う痒疹(結節性痒疹)を生じることがある。慢性化、難治化することもあります。
円形脱毛症の合併も知られています。

感染症

細菌に関しては、重度の湿疹病変から進入した黄色ブドウ球菌などによる伝染性膿痂疹(とびひ)をとくに幼児において多く合併することで知られている伝染性軟属腫(水いぼ)などのウイルスによる皮膚疾患に感染しやすく、アトピー性皮膚炎患者が単純ヘルペスを罹患すると重症化することが知られています。

眼科疾患

最近では白内障や網膜剥離を合併するケースが増えてきています。
網膜剥離に関しては、特に顔面の症状が酷い際の掻破、顔をたたいてかゆみを紛らわせる行動などの物理的な刺激の連続により発生すると考えられています。

白内障については原因は網膜剥離と同様、顔や瞼の痒みから強く擦ったり叩いたりするからではないか水晶体は発生学的に皮膚細胞と同じ分類に入るため、アトピー性皮膚炎と同様な病変が起こるのではないかといった説があります。

いずれにせよ、加齢に伴って発症する通常の老人性白内障とは異なる原因で発生すると考えられており、また水晶体が皮質からではなく核から濁ってゆく事が多いという症状のパターンの違いから、「アトピー性白内障」と呼ばれることもあります。

また、ステロイド内服の副作用として白内障があげられることから、原因としてステロイド外用剤の副作用が疑われましたが、外用剤との因果関係は不明であること、内服薬の副作用として発生する際は、白内障ではなく緑内障の発生率のほうが高いにもかかわらず、外用剤のみで治療されているアトピー性皮膚炎患者では緑内障が少ないという矛盾があることから、ステロイド外用剤は直接白内障とは関連がないとの結論に至っています。