「咳声のどに漢方薬!」
この季節になると風邪をひくヒトが多くなってきます。風邪はいろんな症状を引き 起こしますが、鼻水・咳は多くのヒトが苦しむ症状です。また慢性的にこれらの症状 で悩んでいらっしゃる方も多いでしょう。咳声のどに漢方薬です!
風邪には葛根湯(かっこんとう)が有名ですが、これは極初期にのむ処方で、熱が出て、鼻水・咳が出るころには遅すぎます。このころには小青龍湯(しょうせいりゅうとう)が非常によく効きます。水っぽい鼻水をぴたっと止めてくれる快感は他にはない物です。このお薬は花粉症などアレルギー性鼻炎にも有効ですし、また気管支喘息にも用いられます。長引く鼻水・咳には辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)が用いられ、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)によく処方されるお薬です。
もう熱はないけれど、咳が長引いて、のどのあたりに違和感があるという場合は柴朴湯(さいぼくとう)があります。驚くことにこの柴朴湯の中の半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)というお薬は炎症がなくのどの異物感だけがある精神的な症状にも奏功します。 咳がさらに長引いて、口のどが乾燥する場合、麥門冬湯(ばくもんどうとう)がよく効きます。老人の慢性気管支炎にもいいですし、タバコで痰がきれない場合にも有効です。さらに唾液腺からの分泌が悪くいつも口が渇いているヒトもその渇きを癒してくれるでしょう。咳が長引くと体力を奪い、疲労感も強くなり、身体も痩せてきます。
慢性の咳には人參養榮湯(にんじんようえいとう)があります。この段階では身体全体に潤いがなくなっていますので、身体に力を与え、潤いを取り戻す地黄(じおう)、朝鮮人参という生薬が必要になってきます。
咳声のどに漢方薬!あの飴も桔梗(ききょう)、麻黄(まおう)などからなる漢方 薬です!漢方で今以上の健康を手にしましょう!
「高血圧予防は日頃の生活から!」
高血圧は脳血管障害、心筋梗塞などの命にかかわる病気の根本原因となりますので、そうなる前の予防が必要です。日常の生活を省みて、まず出来るところからはじめて降圧剤(血圧を下げる新薬)のお世話にならなくてもいい身体創りに励みましょう!
高血圧予防の三つの重要ポイントは(一)減塩、(二)減量そして(三)適度な運動です。このうち最も重要なのが減塩で、日頃からうす味を心がけましょう!この他精神的ストレス、アルコールの過剰摂取も血圧に悪い影響を及ぼします。これらの生活上の注意をして、境界域高血圧(上が140〜160mmHg,下が90〜95mmHg)であったり、何回も計っていると時々高血圧(上が160mmHg以上、下が95以上)と言われるなど、まだ降圧剤をのむほどではないというグレーゾーンのヒトは漢方薬がよい適応といえます。高血圧の傾向があり、肥満便秘気味のひとは大柴胡湯(だいさいことう)、顔や足のむくみがあり水の代謝の悪いひと(漢方でいう水滞:すいたい)は五苓散(ごれいさん)、いつも顔が赤く耳鳴りなどのぼせ症状の強いひとは黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、また尿検査で蛋白尿を指摘されたことがあり、下の血圧が高いひとは七物降下湯(しちもつこうかとう)が適しています。またこれらの漢方薬は現在すでに降圧剤をのんでいるが、効果が不十分であったり、不安定であるひとも医師の診察のもと併用していけばうまく新薬と漢方薬がうまく調和し血圧コントロールが良好になる症例があります。
「ガンと漢方」
漢方ではガン(癌=腫塊)を気(=生体エネルギー)や血、水の流れの停滞とみて、まず流れをよくし腫塊を小さくする治療を行います。血の流れをよくし、水の代謝をよくする漢方生薬(主に煎じ薬)に加え、気の流れ、血の流れをよくし、温熱による散結(腫塊を散らす)目的で温熱鍼灸療法も行います。また特に心身共に弱り、免疫状態が低下している場合は、体の元気を補う生薬を加えていきます。この気を補う薬の代表的な物が薬用人参(=朝鮮人参)です。
薬用人参のガンに対する作用*
(1) 全身状態改善による延命効果の期待
薬用人参の有効成分も多くのものがありますが、村田らは、そのうちの一つprostisolという成分をガン患者に投与すると、食欲亢進、体重増加、貧血の改善、リンパ球の増加、および血清γ-グロブリン特にIgM(免疫抗体)の増加傾向などの臨床症状の改善がみられ、結果として延命効果が期待できるという報告を行っています。
(2) 発ガン抑制作用
薬用人参はウレタンやアフラトキシンBなどによる実験動物の肺線腫や肝ガンの発生を抑制し、その他化学発ガン剤による発ガン実験でも、人参を投与した動物のグループでガンの発生率や腫瘍増殖抑制が認められました。しかし、この作用メカニズムは解明されていません。
(3) 腫瘍増殖抑制作用
薬用人参にはHwangらの実験以外にガン細胞を特異的に障害する作用の報告はなく、報告されている腫瘍増殖抑制作用は細胞の機能を介した作用であると考えられます。
(4) 形質変換作用
上記(3)と重なりますが、Morris肝ガン細胞(実験で使う肝ガン細胞)を薬用人参の抽出物質であるジンセノサイドginsenosidesを含む培養液中で長期間培養するとその増殖性の低下がみられます。このとき細胞を観察、分析すると、正常細胞に近い形、機能に形質変化しています。この現象は再分化誘導(reverse transformation or redifferentiation)と呼ばれ、同様の現象は培養melanoma B-16でも観察されています。発ガン過程において、正常な元の細胞から悪性細胞への変化が起こるわけですが、初期のある程度の段階までは、その変化は可逆的であるとされており、まさに薬用人参抽出物質ginsenosidesはガン細胞を正常に近い細胞へ逆戻りさせる現象を引き起こしました。しかし、この正常化も細胞のすべての機能で起こっているわけではなく、限界があり、ガン細胞の種類にもより、今後の臨床応用への研究が期待されます。
現在薬用人参もガンの特効薬とはいえませんが、薬用人参を含む漢方薬がガン統合医療において役割を果たす可能性があること、また決して迷信や漢方的な考え方のみで漢方薬が薬として使われているのではないということを解っていただきたいと思います。
*文献:小田島 粛夫(1981)薬用人参、p194-、共立出版、東京
「男にも更年期障害!?」
男性には女性にみられうような劇的な体の変わり目(=更年期)はありませんが、やはり加齢に伴って身体のあらゆる部分に問題が出てきます。年のせいと諦めずに、漢方薬で質の高い人生を送りましょう!
年齢とともに男女問わず、足腰が弱くなり、痛みが出てきたりします。これに加え膝から下が冷え、尿が近くなり、夜中トイレに頻回に行くようになると漢方でいう「腎虚(じんきょ)」の状態です。この腎虚のひとは前立腺肥大も含めて、泌尿器系 に問題を抱えることが多いのです。性機能障害もその一つで、この場合若い人でも腎虚ということがあります。腎虚が高じると口渇・耳鳴り・めまいが起こり、物忘れが ひどい・意欲がなくなるなど精神活動にも影響を及ぼすことになります。
この腎虚を治し腎に活力を与えるのが地黄(じおう)という生薬で、八味地黄丸 や十全大補湯などの処方に含まれています。地黄は昔からいわゆる男性の精力剤とし て知られています。最近のラットに地黄を飲ませる実験ではラットの精子数が増加し たという報告もされており、男性の性機能を高めることは科学的に証明されつつあります。
ED(勃起障害)の薬が認可され国内でも処方されるようになりましたが、EDは腎虚のほんの一症状にすぎません。漢方は腎虚の排尿困難から精神症状まで全包括的な症状を治療の対象としています。その症状を治すのではなくそのヒトを治すのが漢方です。より豊かな人生を満喫するため、ぜひ漢方薬をお役立て下さい!
「薬の町大阪の神農さん」
大阪北浜道修町(どしょうまち)の一角に少彦名(すくなひこな)神社という小さな神社がありますが、この神社はまた庶民に”神農(しんのう)さん”と呼ばれ親し まれています。
安永九年(1780年)に、薬種中買仲間組織が京都五条天神社より日本の薬祖神少彦名命を勧請し、薬種改め会所に鎮座したことがこの神社の始まりですが、当初より中国の薬祖神である神農氏も併祀していたようです。神農氏は古代中国最初の統治 者と言われ、特に医薬を司りましたので、健康増進の神として崇拝されてきました。
文政五年(1822年)の秋、大坂で疫病コレラが大流行したとき、大坂所司代は薬種中買仲間に特効薬製造を依頼し、急遽作られた対応薬が「虎頭殺鬼雄黄圓」で、大坂の人々に広く配付されました。この薬は雄黄、白朮、菖蒲、雌黄、龍骨、虎頭骨、鬼臼など十種の生薬で構成され、これらを粉末にし丸薬にしたものでした。この丸薬は明治中頃まで配付され、その標本が現在も残されています。この時、病除祈願のお守りとして併せて施与されたのが「張り子の虎」で、これらの効能は非常に顕著であったと伝えられています。
元々大坂は唐物や南蛮物などの舶来品が集まる都市でしたが、薬品も例外ではなく、長崎で落札された薬種は大坂へ海路回送され、大坂の唐物問屋が受け取り、道修町の薬種中買仲間に渡り、全国へ売りさばかれました。この日本の薬業界の中心であった道修町を抱える大坂は、当時人口約40万の大都市で、疾病に苦しむ人も多くなり、薬品も手に入りやすいという条件が手伝い、順次漢方医も増え、人々も唐物の漢方薬に自然と慣れ親しんでいったと考えられます。こういう土地柄ですから現代大阪においてもやはり浪速っ子は漢方薬に他所以上の信頼感を寄せるのではないでしょうか。
神農さんと親しまれる神農祭は毎年11月22・23日の両日に渡り盛大に行われ、病除けを祈る大勢の人々で賑わいます。健康を祈るひとの気持ちは昔も今も変わりません。予防医学的な意味からも、健康増進のためにもぜひ漢方薬をお役立て下さい。
「肥満は糖尿病の元!」
人類が歩みを初めて数万年ですが、その歴史は他の生き物と同様まさしく飢餓との戦いでした。ですので人間の身体というのは飢餓に対してはある程度備える仕組みができあがっているのです。しかし飽食に対しては対処するようになっていません。なぜなら多くの人間が腹一杯の食事を出来るようになったのは極最近だからです。よって処理能力以上の食物を摂取しているといつしか身体の中は食物の不良在庫であふれ、破綻を来すのです。それが糖尿病という病的状態です。
これを正すには前にも述べましたように適正な量の食事をする事が第一ですが、植物繊維をたくさん摂ることが重要です。 植物繊維は食べ物の消化を緩やかにし、食後の高血糖を抑え、脂肪の排泄も促進します。それでも肥満がなかな解消しない場合、漢方薬の併用をお勧めします。色白で顔によく汗をかく、水太りの方は防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)がお勧めです。このタイプの方は水の代謝が悪く放置すると膝関節に水が溜まることもあります。この防已黄耆湯はこういう水太り状態の水の代謝をよくしますので、ダイエットだけで効果が上がりにくい方に適しています。また便秘があり、どちらかというと脂肪太りが優先しているタイプの方には防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)が効果的です。身体の中に余計な食物在庫(=エネルギー)がある状態ですので、これをできるだけ外に出してやって体の中をすっきりと浄化するのがこの薬の役割です。
現代病である糖尿病にならないように是非今から繊維食と漢方薬を使って、肥満解消に努めましょう!
「当芍美人」
当芍散すなわち当帰芍薬散は漢方のいわゆる婦人薬のひとつで、当帰と芍薬が主な 構成生薬です。この当芍散を服用すべきタイプの女性は、色白でスラっとした美人が 多かったため、このタイプの女性を漢方家は当芍美人と称しました。
当帰芍薬散のことは「金匱要略」という中国医学の古典にのっており、当帰、芍 薬、川キュウ、茯苓、ジュツ、タクシャの六種類の生薬で構成されています。もとも とこの薬はお酒に溶かして飲むように指示されており、その理由は粉末生薬の油性成 分がお酒によって吸収されやすくなるからです。しかし、煎じ薬や現在のエキス顆粒 剤では吸収効率もよく、微温湯で服用してもなんら差し支えないものと考えられます。
この当芍散が当てはまるタイプの人、すなわち漢方医学でいう「証」はエネルギー パワーの足りない人(虚証)で、体質的にはやせ型、色白で、貧血、低血圧気味、冷 えがあり、疲れやすいタイプのヒトです。江戸時代の浮世絵、竹久夢二の詩画に描か れているきゃしゃ感じの女性たちは、当芍美人でもあったのです。そして、やや専門 的になりますが、このタイプは必ず「オケツ」と呼ばれる病態をもっています。「オ ケツ」とは、現代医学的に表現すると局所の微小循環障害ということになりますが、 もっと端的にいうと血の循環、血行がある部分で悪いということです。どこで悪いの かというと、おへそから下の下腹部で、女性の臓器がある部分です。この部分で血の めぐりが悪くなると、下半身が冷え、女性ホルモンのバランスが崩れ、月経不順にも なるわけです。こういう冷えのあるタイプの女性ですので、昔は散薬を少量のお酒で 服用させたのもうなずけるところです。
第二次大戦後、食事も欧米化され徐々にこのタイプの日本女性は減りつつあります が、上記のような体質・症状をお持ちの美人の方はぜひ一度お近くの漢方薬局・専門 医にご相談下さい。今以上の美人になると思いますよ!
「東洋医学で感染症に克つ!」
今春はSARSが全世界を恐怖に陥れましたが、この他にも地球上には我々が、かつて耳にしなかったような感染症がたくさんクローズアップされるようになってきまし た。AIDSもそうですが、アフリカでのエボラ出血熱も記憶に新しいところです。イギリスではプリオンというタンパク質が引き起こす狂牛病がイギリス経済までも狂わせてしまうという事がありました。これらの感染症は新興感染症といわれ、環境破壊を続ける人類という寄生体?に対する一個の生命体・地球の防御反応だともいわれています。
20世紀半ばに抗生物質ペニシリンが発見されるまで、人類の病気との闘いはまさしく感染症との戦いでした。ペスト、チフスなどの例をあげるまでもなく、伝染病の大流行によって多くの生命が奪われました。
実は漢方医学の三大聖典である「傷寒論」もこのような急性伝染性疾患に対する治療法を著したものなのです。抗生物質も点滴もない時代にいかに伝染病に苦しむ患者を救ったのか?そのノウハウをまとめたのがこの本です。生物にはもともと自分を感染源から守る抵抗力(免疫)が備わっています。感染源を薬で直接殺すのではなく、 自己の抵抗力を高めてやることによって感染源を排除する。こういう考え方が「傷寒論」しいては東洋医学の根底にはあるのです。
無菌室のように衛生的な環境で、しかも無数の抗生物質が使える現代の先進諸国においても、未知の細菌やほとんどのウイルスに対しては無防備なのです。
我々は今こそ日頃から自己の心身を省みて、あるべき自然の姿からかけ離れた歪みを元に戻し、自分自身の防御能力を高めてやり、感染症にかかりにくい身体を創らなければなりません。そのために東洋医学をお役立て下さい。
「万病に霊薬朝鮮人参!」
いわゆる朝鮮人参は古来万病に効くとされ、大変高価なお薬(高貴薬)であったわ けですが、現在もその効能は高く評価され、朝鮮人参に関する新しい発見も次々とな されています。
朝鮮人参(学名オタネニンジン)は中国東北部、朝鮮半島、極東シベリアを原産地 とし、薬用に育つまで5年以上かかります。第二次大戦後、東洋だけではなく、東 ヨーロッパでも注目されはじめ、薬用人参に対する科学的な研究が旧ソ連で始められ ました。実験動物ラットにおける抗疲労作用の研究で、ラットに薬用人参をのませる と、のまないラットより運動量が増えるという報告です。この疲労をとる効能も古く から言われており、特に病中病後にその作用を強く現します。細胞を使った基礎的実 験や、ヒトにおける臨床報告も多数あり、高コレステロール血症を改善する作用、イ ンスリン分泌を促進し、高血糖(糖尿病)を改善する作用、男性ホルモンの分泌を促 進する作用、胃潰瘍を改善する作用、放射線障害による貧血を改善する作用、癌細胞 増殖抑制作用など、非常に多臓器多方面にわたって報告されています。
現在特に病気ではないが、色々と症状があるヒト、いわゆる未病(みびょう・病気 と健康の中間の状態)のヒトにも最適な生薬です。胃腸虚弱、食欲がなく、食後胃が もたれる方、冷えるとすぐお腹をこわす方、最近疲れやすくて、休んでも元気が出な い方、貧血を健診で指摘された女性など、従来ある漢方方剤と合わせて用いると、効 力も増し、これらの症状も改善してくれます。
昔は朝鮮人参と言うと、もっぱら煎じ薬や人参酒(薬用人参を丸ごと一本ホワイト リカーに漬けて服用)でしたが、現在エキス顆粒剤となり、健康保険も適用されるこ とから、非常にのみやすくなっています。思い当たる症状のある方はぜひ一度お近く の漢方薬局・東洋医学専門医にご相談下さい。元気の出る薬です。
「老年自立のための東洋医学」
現在65歳以上の高齢者人口の比率はだいたい16%であり、これと20歳から65歳未満の生産者人口の比率を対比しますと、だいたい4人の生産者が、1人の高齢者を支えて いるという図式になります。ところが2020年にはこの65歳以上の比率は25%に達すると言われており、このとき2人で一人を支えるという生産者にとって非常に負担の重 い時代がやって来ます。年金、保険、介護などの社会保障制度は根底から崩れてしまうかもしれません。そのとき、頼りになるのは、何よりも自分自身です。自分で自分 の面倒はみなければなりません。
ですので超高齢化社会に入った日本において、何よりも大切なのは、お金・土地ではなく、自らの健康なのです。
そのために、まず自分の体に投資をして、自分の体の構造改革をすることが最も肝腎です。 婦人病、慢性病、老年病を未病(みびょう:本当の病気になる前の段階)のうちに克服し、今以上の健康な体を手に入れる。自分のことは自分でできる、誰の助けも必要 としない体をつくる。そして、寝たきりにならずに、豊かで、質の高い生活を送る。この大いなる目的のために東洋医学をお役立ていただきたいと思います。
「日々是健康づくり!」
自分のことは自分でできる!ということは、質の高い豊かな人生を送る上で重要なポイントだと思います。そのためには日頃から、自己の生活管理に心を配り、健康な心身を維持しなければなりません。毎日の生活そのものが健康に直結しているのです。
成人病(脳卒中・心筋梗塞・癌)が「生活習慣病」と改められたのは、これらの病気が我々のライフスタイルそのものを反映するからです。日頃からカロリーオーバーの食事をし、服のサイズもドンドン大きくなって、健診などで、高コレステロール血 症を指摘されている方は日々動脈硬化が進んでいる可能性のあることに気づかなければなりません。動脈が硬くもろくなると古い水道管と同様破れやすく、詰まりやすくなり、脳卒中や心筋梗塞になる確率がグーンと高くなるのです。特に体の変わり目を 過ぎた女性の方は急に動脈硬化が進みますので要注意です。腹八分目!いつまでも十 代の時と同じ食事内容では危険です。食べ過ぎに注意しましょう。
また健康にとって百害あって一利なしの「喫煙習慣」は可能なら一大決心!スパッと止めましょう。タバコは血管を収縮させ動脈をつまりやすくしますので、特に心筋 梗塞の重大な危険因子となりますし、紙を燃やした煙を吸い込むわけですから、気管・肺に悪影響を及ぼすことは容易に想像がつきます。
また肺癌は言うまでもなく、胃癌、子宮癌とも関連すると考えられています。毎日自分の体に毒をもるような緩やかな自殺行為はやめにしましょう!
東洋医学においては、未だ病ならざる状態で病を治す医者を名医としました。予防医学的な発想ですが、みなさんも今ある心身の不調を放っておかず、本当の病気になる前に予防し、日々健康づくりに努力しましょう。病気になってからではなく、未病(みびょう)のうちに、またより活動的な人生のために漢方薬は大いにお役に立てると思います。
漢方薬は現在エキス顆粒剤となり、健康保険も適用されることから、非常にのみや すい身近な存在になっています。あなたの健康増進のために漢方薬を!
「不定愁訴:何となくをなくす!」
現れたかと思えば消え、消えたかと思えばまた現れる。こういうつかみどころのな い自覚症状、訴えを不定愁訴といいます。ストレスという強風にさらされながら、病 という深い谷の上を、綱渡りしていく。このような危ういイメージの現代人の健康に とって、不定愁訴は常につきまとう影のようなものです。
病院に行くほどでもないが、何となく身体がだるい。朝起きたとき、気分が重く何 もする気がしない。すぐ肩がこり、頭が重くなる。これらの不定愁訴は環境条件によ って軽くなることもありますが、簡単にはなくなってくれません。仕事効率至上主義 の社会や、狭い範囲の科学的データーだけを信じている医師たちは、これらの不定愁 訴を何世紀もの間、全く無視してきました。実はこの不定愁訴にこそ、大きな病気の 前兆が含まれていることも少なくないのです。
東洋医学においては、どのような症状・兆候も必ず身体の何らかの異常を示すサイ ンであると理解し、その解決に努力してきました。イライラしたり、気分が落ち込ん だりという精神症状も、古典的西洋医学のように心身を二つに分けて考えず、必ず身 体の臓器異常と結びつけ、心の異常は、身体の異常すなわち心身一如の考え方で対応 してきました。そしてこの心身一体の考え方は、西洋に伝わり、ストレスという病気 の心因的要素に西洋の人たちの目を向けさせたのです。
長い間持っている心身の症状、病院や人間ドックでも異常なしといわれたが、なお も続く不快感などを、あきらめてしまわず、一度東洋医学的なアプローチで、解決を 試みられてはいかがでしょうか。東洋医学では血液検査やレントゲンなどでわからな い目に見えない異常もすべてその対象とします。きっとみなさんの満足のいく治療法 が得られることでしょう。
「お酒のともに漢方薬」
正月休みで休養も充分と言いたいところですが、忘年会、お屠蘇でお祝い、新年会 とお酒を飲む機会も多く、けっこうお疲れなのではないでしょうか。酒は百薬の長と 言われ、極少量ですと体を温め、胃腸の動きも活発にします。また漢方薬の中にはお 酒で服用するよう伝えられているものもありますし、朝鮮人参などの生薬は、有効成 分がアルコールに良く溶け出します。しかしお酒は、あくまでも少量の場合(これが また難しいのですが・・・)有益なのであり、量が過ぎると不利益極まりないのは、みなさん知るところであります。ところが、和を以て尊しとなす日本の社会ではお付 き合いは命よりも大事!?というわけで、お酒を上手に飲むにはどうしたらよいの か?体を壊さずに飲むにはどうすべきか?が問題となります。
まずお酒を飲んで気分が悪くなる、お酒を飲むと食が進まなくなって、翌日も胸焼 けがするなど消化器症状が前面に出る方は、事前にオウレン・オウゴンなどの生薬が 入った漢方薬を服用するとよいでしょう。オウレン・オウゴンはアルコールによる胃 のモヤモヤを取り、飲酒後の・のぼせ・も軽減する作用があります。また、宴会など でつい飲み過ぎて、二日酔いになることはよくありますが、こういう場合、漢方のい わゆる利水剤(水の代謝を良くする薬)が効きます。アルコールによって失われた水 分バランスを元に戻し、二日酔いの頭痛、吐き気などの症状を取り去ってくれます。
また、お酒を飲むと下痢をする、翌日顔が腫れぼったくなる人にも最適です。こういうお付き合いだけのお酒ならば寛容な臓器である肝臓も我慢してくれるのですが、毎日毎晩になると、さすがに悲鳴をあげてしまいます。それを物語るのが、会社健診などでの肝機能検査で、慢性化すると、肝臓に脂肪がついたり、極端な場合肝硬変になってしまいます。これをできるだけ防ごうとするのが小柴胡湯(しょうさいことう) などの柴胡剤です。柴胡には肝細胞保護作用がありますので肝機能異常を指摘されて いる方、悪酔いを避けたい方などに有効でしょう。
漢方薬は現在エキス顆粒剤となり、健康保険も適用されることから、非常にのみやすい身近な存在になっています。お酒のともに漢方薬を!
「アレルギーに漢方薬!」
スギ花粉が飛び交う季節がやってきました。「花粉」という文字をみただけで、鼻がむずかゆくなる方もいらっしゃるかもしれません。
今ではたくさんのヒトが悩まされるこの花粉症も、縄文の森に住む人たちには全く無縁のものであったでしょう。 戦前の日本にも存在しなかったといわれています。まさに、文明病であるアレルギー性疾患のひとつ花粉症ですが、どうして今こんなに増えているのでしょうか?
ヒトには外からの異物を排除しようとするしくみ「免疫」機構が、備わっていますが、このしくみがうまく調和して働かないためにアレルギーが起こるといわれています。寄生虫が新薬で体内から駆除されてしまったから、免疫反応が過剰に起こるようになったという説もこんなところからきています。
また精神的ストレスもこの免疫機構に大きな影響を与えますので、その一因になります。もうひとつ外側の「環境」も大きな要因のひとつです。戦後日本では杉の植林が 大規模に行われ、大流行の一因になりましたし、都市部では道路の舗装が進んだため、スギ花粉は土に還ることなく、何度でも風によって舞い上がることとなりました。
これらの原因が考えられる花粉症ですが、防塵マスクをしてもなかなか避けきれるものではなく、スギ花粉以外にもアレルギーの元(例えば家のほこりやブタ草などの 雑草)があると、一年を通して鼻が愚図る結果となります。花粉症も含めてこれらをアレルギー性鼻炎といいますが、新薬の抗アレルギー剤だけがお薬ではなく、漢方薬にも良く効く方剤があります。
「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」と言うお薬は、麻黄などの生薬を含む方剤ですが、身体を温め鼻水を止めてくれます。現代医学的にもその効果 は実証されており、大変高い有効率を示しています。毎年、この季節花粉症で悩まされる方は、ぜひ一度試してみて下さい!
漢方薬は現在エキス顆粒剤となり、健康保険も適用されることから、非常にのみやすい身近な存在になっています。アレルギーにも漢方薬を!
「浮世絵的ジャパネスク美人のための和漢薬」
江戸時代、歌麿に限らず浮世絵には美人画というジャンルがありました。これらはたぶんに、商業広告、ブロマイドの意味あいが強かったようで、売れっ子の芸者さんや、太夫のものは飛ぶように売れたそうです。もちろん町娘も描かれましたし、時代が下って、大正時代竹久夢二の詩画になると、その美人の様子も趣を異にするのですが、共通していえることは、みな色白で、どちらかというとほっそりしていて、きゃしゃな感じのする女性達であったということです。
20世紀後半に入るまで、日本の栄養事情は必ずしも良好なものではなく、こうしたタイプの女性が多かったようですが、話を舞妓さん・芸者さんに限定すると、この人たちは、かなり意識してダイエットしていた面もあるようです。
これらの職業に就く女性は、置屋(おきや)と呼ばれる派遣会社に所属していたわけですが、彼女達の就業年齢は概して早く、したがってデビュー年齢も早かったようです。今でいうと中学生、思春期真っ盛り、ニキビがすぐできてしまう年頃でした。ところが、置屋の女将はこれでは困ります。顔面ニキビだらけでは、白塗りしても雰囲気が出ないというわけで、まず新人の女の子達に食事制限を強要します。すなわち、白飯、漬け物を茶漬けで食べるメニューです。現在でも、食事とニキビ、アトピーなど湿疹の関係は密接であるといわれていますが、当時彼女たちはこのことを経験的に知っていたのでしょう。しかしこれが過ぎると、透き通るような白い(青い?)肌になったとしても、免疫力が低下し、結核等の感染症にかかり寝込んでしまうという悲劇的な結末になってしまうわけで、もう一工夫いりました。そこで登場したのが毒下ろしの妙薬といわれた十薬(じゅうやく)だったのです。
十薬すなわちドクダミは白い花をつける薬草で、川沿いの湿地などに野生する宿根草です。漢方薬というよりむしろ日本の和薬(民間薬)であり、その臭気成分には抗カビ、抗菌性があり、葉には強力な利尿・解毒作用があります。このいわゆる毒下ろしを彼女たちは煎じ薬=健康茶として服用し、美しい肌を保ったといいます。漢方ではドクダミ以外にもヨクイニンやレンギョウなど肌のトラブルに良く効く生薬がたくさんあります。色白の遺伝子を受け継ぐ、現代のジャパネスク美人にとっても、これらは必ず妙薬となるでしょう。
「風邪こそ漢方!」
風邪は万病の元と言われ、色々な疾病に進展する可能性がありますので、うがい、手洗いのほか、日頃から漢方で風邪にかかりにくい心身を創ることが大切です。しかし、かかってしまったらどうするのか?迷わずこの時も、漢方薬です。
まず、何事も最初が肝腎と言うわけで、かかったかなあと思ったとき、まさにかからんとする直前、背中や後ろの首筋がゾクッとする、肩から頭にかけて重い感じがするときなどは葛根湯(かっこんとう)です。熱が出きっていないとき、この薬の中の麻黄(まおう)、桂枝(けいし=シナモン)などが発汗を促し、風邪を飛ばしてくれます。風邪薬として昔から有名なお薬ですが、熱が既にあって、扁桃腺が腫れているときはもうこのお薬の時期ではありません。熱をさます石膏(せっこう)などがはいっ方剤が適しています。咳痰・鼻水は風邪によくみられますが、こういう水っぽい症状のときは、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)が有効です。このお薬はアレルギー性鼻炎・花粉症にも有効で、その効果 は統計学的にも証明されています。
また忙しくて風邪のケアもできず、いつまでたっても風邪がよくならない。これは、体の中の熱がとれていない状態で、柴胡(さいこ)という生薬の入った方剤が用いられます。現在ではむしろ慢性肝炎の薬というイメージが広がっていますが、小柴胡湯(しょうさいことう)も、元は風邪の後期に良く用いられるお薬でした。呼吸器症状ばかりではなく、いわゆるおなかの風邪にも、紫蘇(しそ)や水のまわりを良くする利水剤(りすいざい)の入った漢方薬がよく効きます。食欲がなく、むかつきがあると言うときは半夏(はんげ)・生姜(しょうきょう=しょうが)という生薬が用いられます。解熱鎮痛剤、抗炎症剤、抗生物質が主流の現在の風邪症候群対症療法ですが、いたずらに症状を押さえ込むよりも、むしろ生薬による自然療法が何よりも効を奏します。自分では風邪のどの時期なのかわからないという方はぜひお近くの漢方薬局、東洋医学専門医にご相談下さい。あなたの今の症状に一番合った漢方薬が見つかると思います。漢方薬は現在エキス顆粒剤となり、健康保険も適用されることから、非常にのみやすい身近な存在になっています。風邪こそ漢方!どうぞお忘れなく!
「自然の食べ物で肥満解消!」
最近日本では肥満が急増しており、それとともに高脂血症、糖尿病、高血圧症が増加傾向にあります。また若い女性では肥満によりホルモンバランスが崩れて生理不順になったり、冷え性になったりする方もいます。この病気の元になる肥満を解消するためには食事療法として自然の食べ物を摂取するとより効果 的でしょう。
肥満を解消するには適正なカロリーの食事をすることが第一ですが、そのためには植物の繊維をうまく摂取することが重要なポイントとなります。植物の繊維は低カロリーで満腹感を作り出す作用があり、ダイエットには最適です。また腸内の食べ物の動きを緩やかにして、食後の血糖の急激な上昇を抑えますし、脂肪、塩分の排泄も促進します。よって糖尿病、高脂血症、高血圧症のひとにも最適といえます。前菜としてサラダなら両手いっぱい、おひたしなら片手いっぱいの野菜をまず食べましょう!
葉っぱ野菜以外の植物繊維の代表といえるのが、こんにゃくでその中に含まれるグルコマンナンは、上記の作用により便通 もよくしてくれます。食事の献立の中にこんにゃくを使われるのはもちろんおすすめですが、多量 摂取に抵抗があれば、このグルコマンナンを含む健康食品を利用されるのもよいかと思います。植物の繊維をお腹いっぱいとって、楽々肥満を解消しましょう!
「超健康体創成!東洋医学」
東洋医学に携わる医師が、初診の患者さんをみて、いつも感じますことは、もう少し早く来られていたらということです。
これは我々の健康感、健康に対する考え方に そもそも誤りがあるのではないかと思います。”健康”とはいったいどういう状態を さすのでしょうか?
健康とは単に病気ではない状態をさすのではありません。中国養生学では、健康を ”天人合一”天すなわち大自然とヒトが一体になった状態と定義しています。自然と 一体になるということは決して自然のままに放置することではありません。よく「わたしは自然のままにするのが好きで、できるだけお薬は飲みたくありません」と、おっしゃる方がいますが、自然=秩序のとれた状態からかけ離れてしまって、それを元に戻さず放置するのは決して自然とはいえないのです。すなわち自然本来の秩序・バ ランスのとれた状態、調和のとれた状態が、大自然そのもの:自然と一体となった状態といえます。
それでは、健康と逆の病的状態とはどういう状態なのか?それは調和の乱れた状態、自然からかけ離れた状態といえます。この不調和の状態は本人が全く気づかない(無視している?)場合もあり、また現代医学の検査で正常だといわれる状態にも存在しえます。
東洋医学はこの不調和を元に戻し、自然のバランスを取り戻してやる医学です。この東洋医学によって自然と一体になった状態を取り戻し、我々の想いをはるかに越えた健康すなわち”超健康体”を手にして、より充実した人生をエンジョイしましょう!